オンライン英会話ビジネスの成功確率を上げるには?


ビジネス方向性一般に事業を営んでいると、例えば、10年というスパンで見ると、
会社が生き残る確率は、中小企業の場合5%と言われていますが、これは実感値として言い過ぎだと思うのと、大企業も比率は少ないですがいますので、10年の生存率は5分5分の50%程度、と見積もっています(リビングデッドの会社も含む)。

オンライン英会話企業の生存率が低い理由

しかし、ことオンライン英会話という業界においては、こうはいきません。
10年での生存率は、おそらく5%程度(100社あったら5社程度)では?と考えてしまいます。

一体なぜこのような低い生存確率になってしまうのでしょうか?

その理由として、オンライン英会話の過当競争や、価格競争などが一般には挙げられていますが、

それ以外に、
『オンライン英会話のビジネスモデルの組み立て方次第によっては、いくつもの不確定要素(不安要素)を内包するから』
だと私は考えています。

ですので、

『いかに自社のビジネスモデルの中に不確定要素の数を少なくするか』

は、結構重要なテーマだと考えています。

国境を超えるビジネスの不確定要素

それでは、具体的に、オンライン英会話ビジネスにおける不確定要素とはどんなものでしょうか?

*不確定要素の定義:
– 自分ではどうにもならない動きをするもの。
– 自身の想像を超える動きをするもの

下記4つが代表例です。

1. 外国人講師(日本と大きく異なる文化の)
2. 遠隔(テレワーキング)
3. カントリーリスク(インターネット環境、電気、政治的etc)
4. 外国人の顧客(日本と大きく異なる文化の)

1. 外国人講師(日本と大きく異なる文化の)

日本人の中には、”人間皆同じ地球市民”といった、特殊な平等?教育を受けてきた人が少なくないと思いますが、実際には、生まれ育った環境で、人の文化習慣、考え方、価値観も大きく異なってきます。

人間は、無機質な顔のないロボットではないのです。

一般に、日本人が、フィリピン人を使ったオンライン英会話サービスを始める時、日本人と同じビジネスカルチャーで仕事を始めると愕然とすると思います。
いい悪い関係なく、そういうカルチャーだからしょうがないのです。

日本も労働生産性で人のこと言えませんが、それでも、フィリピンの労働生産性は、年1万ドル程度で、日本のわずか7分の1程度です。
とすると、単純計算で、フィリピン人を使ったビジネスの場合、日本での仕事ぶりの1/7(14%)に落ち込みます。

フィリピンでも特に優秀な人間だけを雇ったとしても、生産性は大きく見積もって平均2倍に増加すると仮定すると、

生産性は、2/7(28%)程度となります。

 

2. 遠隔(テレワーキング)

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在宅勤務で遠隔勤務などがそうです。

これには生産性への明確なDataはまだでていないので私の実感値になりますが、在宅の場合、オフィスで一緒に働く場合に比べて8割程度(8/10)の生産性かなと思っています。

 

3. カントリーリスク(インターネット環境、電気、スト、政治的etc)

フィリピンでビジネスを始めると、ネットがよく止まったり、天候によって速度が遅くなったり、予告なく電気は止まったりします。また法律もコロコロ変わるので、そうした諸々を含めてカントリーリスクと呼びます。

内資企業にとっては、それ普通だよね、と思うお国柄の事例も、日本人など外国企業にとっては、事業のストレスとなりますし、また、日本以外の国は、通常外国企業にはやたらと厳しいので、それにより異国での生産性は、通常の4割(4/10)と見込みます。

 

こうした見込み値が成り立つとすると、
日本企業が、フィリピンオンライン英会話ビジネスを、在宅講師で雇って行った場合、

10年後のその企業の生存確率
=1/2 × 2/7 × 8/10 × 4/10= 4.5% 

となり

冒頭で述べた、日本のオンライン英会話企業、10年後の生存率5%の実感値とだいたい一致する値となります。

皆さんは、こうして数値で出して検証しなくても、このビジネスに参入後、肌感覚でヤバさを理解し、オンライン英会話ビジネスに介在する不安定要素を少なくしようと努力し始めます。

ある企業は、講師を在宅にせず、粗利減を覚悟で、フィリピンにオフィスを作り、在宅の不確実性を排除したりします。

この場合、生存確率は、
=1/2 × 2/7 × 4/10= 5.7%

と、高まります。

ただ、正直、フィリピンにオフィスを構えるのもお薦めできないですが・・・。

 

Ecomは、不確実性をできるだけ減らすことで安定した。

実を言うとEcomも、2005年オンライン英会話サービス開業当初は、在宅のフィリピン人講師を使ってサービスを提供していました。

フィリピン人講師によるオンライン英会話学校では、先駆けの1つだっでした。

しかし、2005年当時、遠隔管理から始めたものの、6か月ほどで、フィリピンにオフィスを用意し、オフィス勤務に移行し、さらにそこからわずか1年後の2007年に、早々とフィリピンに見切りをつけ、ネイティブ中心のオンライン英会話スクールへとサービスの軸足を移しました。

2007年当時、近い将来、フィリピンオンライン英会話スクール同士で、不毛で熾烈な低価格競争になるのを予測していたのと、長く安定したサービスを提供するには、そのビジネスに内包された不確実性を極力排除したかったからです。

こうして、Ecomは、アメリカ、カナダ、イギリス、日本など環境が整った国にいるネイティブ講師を使って、私が一番よく知る国、日本をマーケットとしてサービス提供を始めたのです。

2007年から始めたこのEcomスタイルの、10年後の生存確率は、敢えて数値化してみますと、

=1/2 × 8/10 = 40%

と、フィリピンオンライン英会話ビジネスの10倍近い成功確率があると言えます。

特に遠隔による働き方は、オンライン英会話サービスを行う上で肝のとなるノウハウなので、ここの生産性を向上させる努力は常に行っており、現在では、遠隔でも、通常オフィス勤務と変わらないかそれ以上の生産性を出せているのではと感じています。

そして、そうした試行錯誤のTry and Errorの結果、Ecomは本年2017年に無事安定したサービスで提供13年目を迎えることができました。

 

今後については、日本以外の顧客も。

主に、日本とビジネス環境の近い、欧米を中心に広げて、不確実性のある南米やロシアのマーケットにも余力があれば伸ばしていきたいと思っています。

ただ、ここまでオンライン英会話ビジネスを続けてきて、感じるのが、国境を超えるこのサービスは、とてもやりがいがあるということです。不確実性という抑えきれない不安要素も散らばっていますが、それを頭を使ってうまく回避し、これまでにないオンライン会社のロールモデルを今後とも作っていければと考えています。

 

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P.s:2008年ごろからブームとなったフィリピンを使ったフィリピンオンライン英会話サービス、こんなことを書いていて何ですが、まもなく10年以上継続できた会社さんも、2,3社ほど出てくるころにかと思います。

血のにじむような努力か、溢れる資本力(マネー)、またはその両方で、そこに内包される不確実性をカバーしてきたのだと思うと、単純にすごいと思うのと、そのタフネスさに敬服いたします。


About 成田 勝行

株式会社イーコミュニケーション代表取締役社長 慶應義塾大学総合政策学部(SFC)卒業後、外資系コンサルティング会社(Accenture)入社。退社後、暫くダンス活動(Ballet, Jazz, Hiphop, House, Break'in)に専念。専門はクラシック・バレエ。2005年イーコミュニケーション創業し、現在に至る。踊れて、経済が語れる経営者という領域で世界一を密かに目指す。

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